人生の様々な迷いに対して道しるべとなってくれる一冊
アドラー心理学といえば、嫌われる勇気、が有名ですが、本書は様々な人生の悩みや壁に対して、100の言葉を読者に伝えている本となっています。
つい怒ってしまった、対人関係で悩んでいる、家族に対する接し方、子供への教育など、本当に幅広い分野の悩みに、心理学的なアプローチでアドバイスをくれる一冊です。
読者を励ましてくれる言葉ばかりで、どの言葉も心に響くものばかりで、心が沈んだ時には読み返したくなるような本でした。
その中で、いくつか自分がはっとさせられた言葉をいくつか紹介したいと思います。
おとなしい、暗い、そんな性格はいつになっても変えることができる
性格と述べると絶対に変えることができるというイメージを与えてしまうため、アドラーは性格のことを「ライフスタイル」と述べています。
その中で、この言葉が紹介されていました。
「ライフスタイル(=性格)とは、人生の設計図であり、人生という舞台の脚本である。ライフスタイルが変われば、人生はガラリと変わるだろう。」
ライフスタイル=(性格)は、生まれつき決まっているものではなく、自分の意思で決めたものであるため、いつでも変えることができるとアドラーは述べています。
そんな性格の根っこには3つの価値観、信念があり、
①私は~である。(自己概念)
②世の中の人々は~である。(世界像)
③私は~であらねばならない。(自己理想)
この3つの組み合わせにより決まってくるとのこと。
どうでしょうか、私も本書を読んでいて、自分のことを思い返してみると、
自分は引っ込み思案で、初対面の人と話すのが苦手だ、と自分を定義していたことがありました。
ただ、大学生、社会人になるにつれて環境が変わり、多くの人と接すると色んな学びが得られるんだな、と分かってからは、あまり人と接することに苦手意識がなくなりました。
それに、社会人同士の場合だと、初対面の場で相手に不快感を与えるような人ってそんなにいないですからね。
仮にそんな人だった場合は、今後のお付き合いを考えればいいわけですし(笑)
気持ち一つで自分の性格は変えられるな、と勇気をもらえた言葉でした。
上から目線で褒めず、横から目線で感謝しよう
会社の上司が部下に対して。
または、親が子供に対して向ける言葉の中で、アドラーはこんなことを言っています。
「「よくできたね」とほめるのではない。「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えるのだ。感謝される喜びを体験すれば、自ら進んで貢献を繰り返すだろう。」
感謝をされることは誰であっても嬉しいですよね。
感謝されると、人は自己効力感が満たされ、自己信頼を感じます。
同時に相手に対しても信頼感を持つ、他社信頼も芽生えます。
ですが、言葉選びを間違えて、
「偉いね、よくできたね」という上から目線の言葉が使われてしまうと、受ける印象は全然違いますよね。
理由は、褒めるということは上から目線であり、相手に対して期待していないということが前提になるからです。
自分の目下の人に使うことばであっても、褒めるのではなく感謝をする。
上から目線ではなく、横から目線で感謝を伝えることで、相手の貢献と感謝の体験を増やすことはとても重要であると言っています。
使う言葉には気を付けていきたいですね。
不出来の部分を責めず、出来た部分に目を向けよう
最後に、私も仕事をしていたことに経験しましたが、きっと皆さんも同じように思われたことがあることから一つ。
「人の行動の95%は正しい行動である。しかし私たちは「当たり前だから」とそれを無視してしまう。わずか5%しかない負の行動に着目してはいけない。」
例えば会社で資料作成を指示され、上司に提出した場合、問題がない大半の部分には目もくれず、僅かしかない問題点にばかり指摘をしてきます。
これは心理学の観点から、勇気を挫いてしまう行為だと指摘しています。
指示から逸脱した完成度が極端に低い資料ならばともかく、いくつか修正点がある程度の70~80点の資料であるならば、まずその部分に目を向けてあげればやる気も格段に上がりますよね。
人の心理学は本当に面白いな、と思えます。
ちょっと視点を変えるだけで、ちょっと選ぶ言葉を変えるだけで、相手の気持ちややる気を簡単に上下させることができるんですから。
何気ないやり取りの中でも、些細なことに気を配ることで、人と人との付き合いは簡単に良好なものにできるんだなぁ、と思いました。
終わりに
人生に革命が起きる、という本書のタイトルですが、「革命」という言葉は非常に難しいイメージを抱きます。
でも本書を読んでみると、人生の革命を起こすにはちょっとした意識の変化を積み重ねていくだけで、革命を起こす事ができるんだなと思いました。
他にも心に響いた言葉はたくさんあったので、気になる方は是非手に取り読んでみてください。
それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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