どうも哀歌です。
今回は中小企業診断士一次試験、企業経営理論の隙間を埋めるシリーズの第三弾です。
六月終盤、一次試験までもうすぐ一ヶ月を切るということで、ラストスパートをかけている受験生も多いと思います。
しかし、過去問や問題集を繰り返し解いても、本試験で初見の単語が出てきたら、正解するのはなかなか難しい。
そんな状況を僅かでも防ぐために、今回も二つの用語を紹介したいと思います。
アダムスの公平(衡平)理論
それでは早速問題です。
J・ステイシー・アダムスが提唱した公平理論によれば、自身のインプットとアウトプットの比率」と「他人のインプットとアウトプットの比率」を比較し、その比率が同じであればモチベーションが維持、向上されるとした。
〇か×か。
「J・ステイシー・アダムスが誰か知らないけど、公平理論って言ってるんだから〇じゃね?」
という判断をされた方はおめでとうございます、正解です。
本番で知らない用語が出てきても文脈から推測すれば解ける問題も必ずありますので、この調子でいきましょう!
……というわけで、簡単な解説をしたいと思います。
解説はいいや、という方は次の用語説明まで飛んでください!
モチベーション理論:アダムスの公平(衡平)理論
インプット、アウトプット、と書くと分かりにくいので、とある会社の営業の数字で説明しましょう。
Aさん
当月新規契約数:10件
当月の成果報酬:50万円
Bさん
当月新規契約数:5件
当月の成果報酬:30万円
さて、このように考えるといかがでしょうか?
一見すると、Aさんの方がお給料が多いのでモチベーションが高そうだと思われるかもしれませんが、新規契約数1件当たりの成果報酬を考えると
Aさん:(50万円/10件)=5万円
Bさん:(30万円/5件) =6万円
となっているため、公平な状況になっていません。
不公平だと感じたAさんは、現状を変えようと行動するとしています。
考えられる行動としては、来月から新規契約数を減らすか、新規契約数を増やして更に成果報酬を増やすか、でしょう。
ただ、成果報酬は会社が体系を決めるものなので、行動をしても不公平感が解消されない場合も発生することもあります。
その際好ましくないのは、モチベーションが低下したままで組織内に留まろうと考えることです。
結果として優秀な人材のモチベーションが下がってしまい、仕事への取組みの質が低下してしまいます。
これがアダムスの公平(衡平)理論の簡単な説明です。
では完全に公平な人事施策を揃えれば何も問題なしだ! と思われるかもしれませんが、人事の評価はどこかしらに評価者の主観が混じるものです。
そのため、組織の中で完全な公平を築くというのは困難を伴うことも多いのです。
それでは、次の用語解説にいきましょう。
サーバクション・モデル
では例題いきましょう。
サーバクション・モデルとは、顧客と企業が出会う場や、サービスを提供する場のことをいう。
〇か×か。
「サーバクション・モデル? 知らんけど、この説明はサービス・エンカウンターのことでしょ」
と判断して×にした方は大正解です!
本番ではこのように、用語と説明を入れ替えた問題が多数出題されるので気を付けましょう!
さて、サーバクション・モデルについて解説しますので、興味ある方は続きをどうぞ!
サービス・マーケティングのサーバクション・モデルについて
そもそもサーバクションとは、ServiceとProductionを組み合わせた造語です。
意味としては、顧客から直接は見えないバックステージ(内部組織など)やフロントステージ(顧客と接する従業員)に加えて、顧客同士の影響もまたサービスの質に関わってくる、という概念のことです。
この説明だけだと分かりにくいので、飲食店を例に挙げて考えてみましょう。
①従業員の接客態度が、お客さんによって異なる
レストランに食事をしにいって、自分達だけぶっきらぼうに接客され、他のお客さんには丁寧に対応していたらどうでしょう?
こんな店、今後利用したくないなって思いますよね。
あからさまな例ではありますが、接客担当の店員によって店のサービス品質が見て取れてしまいます。
②店内が汚れている、汚らしい。
飲食店にも関わらず、店内が汚らしく不衛生だと利用したくないですよね。
これもお店としての質が問われてきます。
③お客さんの中に著しくマナーが悪い人がいる。
接客も完璧、店も綺麗で衛生的、こんな好条件が揃っていたとしても、店内で携帯電話で大声で通話をしていたり、大声で延々と話し続けているお客さんがいたらどうでしょう?
残念ながら、この一部のお客さんによって他のお客さんの満足度が低下してしまいます。
そのためサービス提供者は、店内での携帯電話の使用を禁止する、といったルールを定めたりして、顧客側の統制を取ろうとします。
場合によっては、迷惑をかけている客をつまみ出すなどの強硬策に出るなどしてでも、他のお客さんに継続的に利用してもらえるような統制策も考えなければならないかもしれませんね。
終わりに
もしかしたら出題されるかも? ということで、二つの用語を紹介しました。
一つ一つの概念や考え方は突き詰めていくと楽しいのですが、企業経営理論の試験範囲が広すぎるので狭い範囲に集中していくわけにはいかないですよね。
試験前にでもさらっと本記事や他の記事を読んでいただき、知識の隙間を埋めていただければ幸いです。
それでは本日も最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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